お寺でヨーガ

2月9日(木) NHK『ホットイブンニング』で生中継されました【取材風景】

【TAGWORKS田口昌幸氏撮影】

『ほっとイブニング』 常宿寺からNHKが生中継 顛末記

1月20日(金)朝、これからお月経に出かけようとしていた時、1本の電話が掛かってきました。
それは東海3県(愛知、岐阜、三重)で平日夕方6時10分から放送されているNHK名古屋放送局のニュース番組『ほっとイブニング』で、中継を担当なさっていらっしゃる辻勝氏からのものでした。
辻さんは、元旦の中日新聞に掲載された記事(当サイト内「お寺でヨガ」参照)をご覧になって、お寺でのヨガ教室や、ヨガを住職自身がやっているということに興味を持たれたとの事等をお話し下さいましたが、その時にはすでに、お寺のウェブサイトを読んで頂いて下さっていることが十分に伝わって参りました。
『ほっとイブニング』は、いつもウチの猫達にご飯をやったり運動させたりする時間なので、ニュースや天気予報をチェックするために、毎日視聴しており、アナウンサーの池田達郎さん、福永美春さん、そして気象予報士の寺尾直樹さんはお寺の猫達にもお馴染みの方たちです。(特におバアの月子は天気予報をじっと見ていることが多く、翌日の天気が気になるのでしょうか?それとも私と同じ寺尾さんのファン?)
いつも見ている番組で、お寺から中継されるという事態に、初めは本当に信じられない思いでした。

翌日は土曜日で、ヨガのある日でしたので、辻さんは常宿寺に来て下さり、皆さんと一緒に体験なさいました。これは取材をお受けする時には、いつも私がご提案するのですが、実際に体験してみないと分からないと思うからです。この時に、これからの段取りをご説明頂きましたが、シナリオを作成したり、2日前には中継車やスタッフとの打ち合わせがあるなど、伺っている間にこれは大変なことなのだと、少しづつ実感が湧いてきました。
そもそも、ヨガは、土日午後3時に行っているのに、放送予定の9日木曜日には4時半にリハーサルなども始めるのでメンバーの方には、それから中継放送終了までお付き合いして頂かねばなりません。平日の夕方ですと、皆様お仕事の時間とか都合の悪い方も多かったので、最終的に13名の方が協力して下さったのは本当に有難かったです。

辻さんはその後、1月29日、2月4日と実際のレッスンに全部で3回見えて、その都度打ち合わせを行い、シナリオを作り上げていきました。
打ち合わせと言えば、まず初めにこんなことがありました。初めて辻さんが見えた時、終わった後のお茶の時間に、参加者の中には、私のことを庵主様と呼ぶ方もあり(これはこの地域では尼僧のことを昔からこう呼びますので普通なのですが)私のことを番組内で庵主様と呼ぶのか、住職と呼ぶのかと尋ねられました。その時は「どちらでも結構です」とお答えしたのですが、一晩考え、翌朝にお電話し、「住職」と読んで下さいとお願いしました。

そもそも、中日新聞の記事の時、中身を事前にチェックさせてもらえないかお願いしたのですが、だめだと言われ、記事が印刷され、配られてから記事の表題が「心身見つめ尼僧とヨガ」となっていた時には正直言って、一瞬「アチャー」と思いました。そして、辻さんが持っていらしたシナリオの表題も当初は「尼寺」となっておりましたので、これも「尼寺ではなく、お寺にしてください」とお願いしました。
「庵主様」と親しみを込めて呼んで下さる方も多くいらっしゃる一方で、ごく身近の特に年配の方から、面と向かって「尼寺はお寺ではない、庵主さんはお寺の留守番」と言われたことがありました。戦後は先輩の方々のご尽力により、尼僧も機会的には、全く男女平等になり、ウチのお寺も宗教法人であり、私はその代表役員なのですが、それを、尼寺というと、こちらの体感的には差別用語に等しい響きがあることは否めないのです。そもそも開祖道元禅師様は「設い七歳の女流なりとも即ち四衆の導師なり、衆生の慈父なり、男女を論ずること勿れ、これ仏道極妙の法則なり。」とおっしゃるほどにリベラルな方でいらしたので、我が宗門の曹洞宗の中では、男女差別は絶対ないと心から信じておりますが、世の中的にはまだまだと思っております。
脇へ脱線してしまいましたが、このように細かいところまで、要望や変更点をいちいちお願いしましたが、それらを全てかなえて頂けたことに本当に心から感謝申し上げております。

2月7日、放送の2日前、当日中継して下さる豊田美穂キャスターとスタッフの方4名が、中継車と共に見えました。打ち合わせを行い、電波のテストなど、あらましをチェックして行かれました。

さて、いよいよ本番の2月9日(木)になりました。この日は、天気予報によりますと降雪も予想され、心配しましたがそうひどくもならず幸いでした。
頂いたシナリオでは、13:00、スタッフ顔合わせ、局内準備、14:00(名古屋を)出発とあります。午後6時半頃からの僅か6分の為に中継車ともう一台のマイクロバス、総勢9名のスタッフの方が、14時30分過ぎにはお寺に到着。シナリオには沢山専門用語が書いてありますが、分かる部分だけ書き出してみますと、現場到着、機材搬入、現場説明、セッティング、最終打ち合わせ、ドライリハーサル(カメラを通さないリハーサル)、となっています。併せて『夕刊ゴジらじ』というラジオ番組も17時40分から中継するということで、その準備も並行して行われました。
まず一番初めに、豊田キャスターと私にピンマイクが渡されましたが、ウェストポーチのようなものの中に発信機(?)が入っていてマジックテープで止めるようになっていて、それを作務衣の中に着け、マイクを襟の外から止めました。これは録画しておいたものを後で見て、つくづく感心しましたが、こちらの音は全部拾っているのですが、私と豊田さんが対話している時は同じ音量で、そうでない時は私の声はちゃんとバックで音が小さくなるように調整されていたことでした。
4時を過ぎる頃から参加者の方も来て下さいましたので何度かリハーサルを繰り返しました。辻さんがその度に時間を計るのですが、どうしても7分を過ぎてしまいます。最終的には5分20秒で納めねばならず、あの部分この部分とその度に短くしていきました。そして、5時10分名古屋放送局とつないで通しのリハーサルが行われました。
冒頭の坐禅のシーンの次は、開脚前屈のはずが名古屋から「準備運動にしかみえず、ヨガに見えない」と言われ、急遽三角のポーズに変更になりました。急な変更だったので皆さんが揃うか心配でしたが、後で見ると大変綺麗に揃っており、これも安堵しました。
そうこうするうち、5時40分には『夕刊ゴジらじ』の時間になり、これはほとんど豊田さんが主にお話しになり、後は参禅者の加藤さんへのインタビューでしたので、私は楽でした。
6時10分、いよいよ『ほっとイブニング』の番組開始です。恐らく、辻さんと豊田さんは、生で放送されている音声がイヤホンで逐一入っているので、現在何を放送していて、あとどのくらいでこちらに来るということが分かっていらっしゃるのですが、私には分かりません。「そろそろです」と言われ指定の立ち位置に立ちました。5,4,3、と秒数が刻まれている時も、全く緊張はしませんでした。ただ見ている方としては「緊張してましたね」という方もいらっしゃいましたが、実際やってみて思うことは、素人がテレビカメラの前で自分の伝えたいこと話したいことを言おうとすると、どうしても抑揚が無くなり棒読みのようになってしまうということです。豊田さんにも、マイクが来るとご住職は顔が怖くなると、注意されましたが、元々の顔なので仕方ありません。何度練習してもダメなので、ついにあきらめました。
この度実際に体験してみて、普通に見えるアナウンサーさん、タレントさんたちのスキルがどれほど鍛えられ上げられたものであるかということをまざまざと思い知りました。今回中継して下さった豊田さんの滑舌も立ち居振る舞いも見事で、ほとんど感動モノでした。私は隣りで終始彼女の引き立て役でした。
ヨガの実演も終わり、最後に皆さんの坐禅の場面になったとき、(後で分かったことですが)カメラがず〜っと本堂内を廻って皆さんの姿を追っていき、スタジオの池田さんが「綺麗な姿勢ですね〜皆さん」と言って下さって、その時にぴったりのタイミングで、毎日坐禅に励んでいらっしゃる加藤さんのりっぱな坐禅の姿がクローズアップされ、最高のエンディングを迎えることができました。

お寺からの生放送は6時40分に終わりましたが、それからの撤収作業のなんと早いこと(!)、7時には全ての荷物を片付けてお帰り頂けたので、それから遅ればせながら猫たちにご飯をやることができました。その間に、早い方は早速お寺にヨガに来たいと電話でお申込みを頂いたり、皆様方の感想のメールが次々と届いたり、あまりの反応の速さに驚きました。
「坐禅、ヨガが美しくて感動した」という感想を多く寄せて頂きました。やはり「地道な日々の精進は裏切らない」という実感を、私自身も後で録画を見て、そう思いました。お寺に足を運んで下さる方のみならず有形無形にお寺を支えて下さっている皆様に住職として心から感謝申し上げております。

またまた余談ですが、先日、いつもお世話になっている眼科に行きましたが、診察室に入っていくと先生が突然大きな声で「あ〜! 岡本さん、この間テレビでてたね〜! 俺もやりたいな〜」と言われ
 \(◎o◎)/! 先生はとてもお忙しい方でいらっしゃるので、まさかの出来事でした。

当日の模様を、NHK名古屋放送局のウェブサイト上、「アナウンサー・キャスター日記」で豐田さんが報告して下さっていますので、よろしかったらご覧ください。
http://www.nhk.or.jp/nagoya-ana-blog/310/262880.html
http://www.nhk.or.jp/nagoya/gojiradi/archives/2017/0209/index.html

別途カメラマンの方に一部始終を撮影してもらいましたので、近日中に、お寺のウェブ上で動画をアップする予定にしております。

現在は、土日いずれのクラスもお申込み多数で、満員になってしまい、空き待ちの状態です。
NHKから参加者の方に名入りのタオルと、お寺にNHKオリジナルのクッキーを記念に頂きましたが、それぞれのクッキーに番組名の入った珍しいもので、後日ヨガの時間に皆様と一緒に美味しく頂きました。m(__)m
NHKクッキー NHKクッキー

中日新聞(2017年(平成29年)1月1日)でヨーガ稽古が紹介されました

中日新聞(2017年(平成29年)1月1日)で紹介されました

体と心を柔軟にする為、ヨーガの稽古を行っています

 常宿寺では、坐禅を毎朝行っております。今までにも随分多くの方がいらっしゃいましたが、ほとんどの方が数回、乃至は続いても半年から1〜2年で止めてしまいます。

 その理由を考えてみた場合、修行に対する認識の甘さ、動機が希薄なこともありますが、皆様の坐相を見ていて、体の固さにも原因があるのではと思うようになりました。

 体の中でも特に股関節が硬いと呼吸を深くすることはかなり難しく、坐禅を長期間継続させていくことに不可欠な「楽」を味わうことができません。
 「楽」を感じることができないと、心も身体も共に病を得る可能性が高くなります。さらに、坐禅にいらっしゃる皆様のお話を伺っていると、あまりにも物質や他人に頼ろうとし過ぎ、それによってストレスにさらされていることを痛感しておりました。

 我々は、本能的に生命を存在させている媒体としての肉体を大事にしますが、物質としての肉体に逆に振り回され、それによって精神(spirit)が損なわれるマイナスの面があるということにあまり気付きません。(例えば、アルコール依存症、ニコチン中毒、薬物中毒など)

 肉体の本性は、一言でいうならば「束縛」です。肉体をまとって生きているとは「牢屋」の中で暮らしているようなものなのです。生きながらその束縛から放たれたいと志すなら、まず牢屋の中に居ることを自覚すること、そしてその実態を直観的に把握しようと努力する必要があります。

 そしてある程度修行を積んで肉体の束縛から少しでも解き放たれた時、初めてそこにこそ本当の意味の「楽」があることを直感します。皆様は一般的には肉体を喜ばせることを「楽」と思っていますが(例えば、食欲、性欲、睡眠欲等々を満足させること)、本当は肉体から解き放たれた時こそが「楽」なのです。
 その意味で「死」は肉体からの解放なのですから決して忌むべきものではありません。肉体からの解放は極めて楽しいことであり、よほど悪いことの限りでも尽くさない限り死は「極楽」なのです。(ただし、自殺とは修行の為に与えて頂いた生命を絶つ、自らに対する殺人となりますので絶対にダメです)

 私共の身体や呼吸の中には、宇宙存在のメカニズムが全て表現されております。私たちが物質としての命を授かった時から休むことなく動き続ける心臓は、自分の意志で勝手に止めたり、また動かしたりすることは出来ません。太陽や地球の動きを止められないのと同じです。浜辺に行くと規則正しく寄せては返す波を見ることが出来ます。最もマクロ的に観た場合、私たちの「吸って吐いて」を繰り返す呼吸と同じメカニズムが働いています。
 したがって身体を伸ばしたり、縮めたり、捻ったり、止めたり、息を長く吐き続けようとしたりすること等々によって、身体の変化を注意深く観察することができるようになってくると、物事の成り立ちや背後に隠れている真実(摂理=因果の法則)が教えて頂けるようになります。
 そうしますと、肉体をまとっている存在であることが「束縛」である、ということがなんとなくわかって参ります。

 肉体の束縛からわずかでも解放されることを最も早く実感できる方法は呼吸法です。吐く息を少しでもゆったりと長く出来るように心がけて毎日実践していると、その効果は身体の限界を超えて働いてくれるようになります。古来、ヨーガの行者たちは、この境地をめざしてきたのです。

 細く長いゆったりした呼吸は、不快な感情や不健康からあなたを解放してくれます。いら立ちの波動がおさまり、驚くほどの内的力が湧き出てきます。神仏の存在を身近に感じることが出来るようになります。

ヨーガ

 ヨーガの行が、判明している限りでも5000〜6000年位前から行われていたのも、このようなことが体験的に分かっていたからだと思います。

 体の動きをよく「観る」ということは、「自身の心身の状態をただ観るという仏道修行の根幹」にも通じることです。(実は坐禅の目的もやり方もこれに尽きるのですが)

 以上述べてきたことは、残念ながら、実際に長い時間をかけて練習し、体感しなければ、わかりません。

 常宿寺では、体と心を柔軟にするための機会を設ける為、ヨーガの御稽古場を平成24年3月に開設いたしました。

 「只今、お寺の都合により、休会中です。当分の間、再開の予定はありません。」

ヨーガ

申し込み、お問い合わせ等は、お寺まで電話にてお願いいたします。

待鳳山 常宿寺 〒491-0919  
愛知県一宮市住吉1−7−12
0586-45-7357
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